バルセロナチェア/ Barcelona Chair[1929]

Designer:ミース・ファン・デル・ローエ/ Mies Van Der Rohe

[ドイツ / 1886-1969]
 ル・コルビジェやフランク・ロイド・ライトと共に近大建築の三大巨匠と言われる建築家。
【代表作】
建築「トゥーゲンハット邸」「ファンズワース邸」「シーグラム・ビルディング」など。
家具「ブルーノチェア」「トゥーゲントハット・アームチェア」「MRシェーズロング・ダイニングチェア」など。

Story

 1929年に開催されたスペイン・バルセロナ万国博覧会。ミースはそのドイツ館(バルセロナ・パビリオン)の設計依頼を受ける。装飾を排除し、大理石の壁、鉄の柱、ガラスで構成されたシンプルで幾何学的な空間は、モダニズム建築の傑作と呼ばれている。その際、スペイン国王夫妻を迎えるためにデザインされたのがこのバルセロナチェア。「God is in the details(神は細部に宿る)」の言葉通り、細部までこだわり抜いてつくられたこの作品は美しい。

Features

 まず、目に留まるのはその美しい曲線。クロスされた脚の流れるようなしなやかなラインは見るものを魅了する。当時、主流の材料であった鋼管を使わずに、代わりにスチールバー(板状の鉄)を用いて、仕上げている点も見逃せない。美しいフォルムは一目見たら忘れることなどできない。このアイテムは、あなたのお部屋の中に特別な空間を与えてくれるだろう。

Other

 正規品はKnoll(ノル社)。万博が終わってから十数年の時を経て、アメリカでバルセロナチェアの製造が幕を開けた。同社は1948年頃から研究開発に着手し、当時、他社では実現不可能であったこのチェアに課されたミースの要望を高い技術力と研究力により実現させた。そして、1953年、ついにミースのすべての家具の製造販売権を取得し、以降、同社の代表作品の一つとしてバルセロナチェアの生産を続けている。

【机野椅子次郎のココが星5つ】

 神が宿った細部★★★★★

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